2017年8月7日月曜日

Impotenzは誰か(劇団なかゆびより)

 「演劇」あるいは「演劇人」という主語に、どんな述語をあてがってみようか。
 演劇はあらゆる芸術を飲み込んでいく。
 品のないやつだ。
 だから、おまえが嫌いで、
 だから、おまえから逃れられない。

 色んな「演劇人」がいる。
 思うまま楽しむ者、
 勇壮に立ちはだかる者、
 狡猾に立ち回る者、
 
 踊る者、
 歌う者、
 奏でる者、
 道化師、
 
 そして、立ち止まる者。

 彼岸から、声が聞こえる。
 おまえの半分から、声が聞こえる。
 その声を、無視することはできない。
 その声に、欲深い私は誘惑される。

 おまえに、また媚態を晒してみようと思う。
 おまえの前でまたerectioし、
 そしてejaclatioしてみせよう。
 いつものように何も、生まれぬかもしれない。
 いつものように私だけが、快楽を得るだけなのかもしれない。

 それでも、懐胎を目指し、虚しい期待を
 「演劇人」は膨らませるのだ。



■同志社大学政策学部 2013年度生
□神田真直
■090-5899-4993

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